不登校経験者のおぼえがき

不登校経験者のNPOスタッフが不登校についていろいろ書くブログ

その行動、子どもは迷惑しているかも。―不登校だった僕が進路で親と揉めた話

大人って、すぐ事を大きくしようとするから信用できひん。

この間とあるワークショップに参加したときの中学生の言葉。これを聞いて、僕は思わず後頭部を鈍器で殴られたような衝撃を身に覚えました。

子どもの言い分としては、純粋にただ話を聞いてほしい。それだけで解決する問題なのに、話の中身だけを捉えた大人は早合点して、関係各所に連絡を取ったりクレームをつけたりする。それが嫌やねん、ということを話してくれました。

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黙って話を聞く。

これができない大人は、教育関係なくものすっごく多いです。

たとえば大事な相談をする相手が、こちらの話もよく聞かずにトンチンカンな意見を出したり、話を遮って何かを否定してきたとしたら、話す側も話す気力がなくなってしまいますよね。子どもの話に耳を傾けるのも、これと一緒です。

僕が中学受験を控えるころ、行事で久しぶりに登校したときに副担任にこんなことを言われました。ちなみに、この副担任は進学関係にめっぽう強いと校内でも信頼されていた先生。

○○くん(僕)、××高校ってところがあってね。ここならフリースクールみたいに自由な校風だから○○くんにすごく合うと思う

家に帰ってこのことを親に報告しました。ただ僕は、「副担任の先生がこういうフリースクールみたいな学校があることを教えてくれた」のを告げたまでです。別にその学校に対してそのとき興味はありませんでしたし、そこに怒りも嬉しい感情も何もありませんでした。

しかし、親の反応はまったく予想すらしていないものでした。

うちの子になんて学校を紹介するんだ!と、すぐに電話機に手をかけ学校にクレームをつけようとしたのです。

僕は泣きながらその行動を止めました。だって1mmも望んでいない行動だったから。

副担任も別に僕を小バカにしていたわけじゃなくて、「これまでの実績や経験からベストな選択をしてほしい」とその言葉に悪気がないことは十分理解していました。というか、その分野に関してはよっぽど親より副担任のほうが精通している分野でもあります。

ただ、「ぜんぜん知らなかったけどこんな高校もあるんだって」という僕の気持ちはまったく受け取ってもらえず、鬼気迫る勢いで電話に手をかけた親に僕は恐怖心を抱き、必死になって親を止めました。正直、ものすごく迷惑だったのは書くまでもありません。

余談ですがその日は僕の誕生日で、本当に後味悪いものになってしまったのを今でもよく覚えています。

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時として、我が子を守りたいがための親の行動は、かえって仇となることがあります。

なぜなら、その行動を子は待っていないから。

子どもは何も求めていないにも関わらず、良かれと思って取った親の行動は、子どもにとっては迷惑も迷惑な訳です。もちろん、それで子どもが救われることもありますが、一歩間違えれば親への信頼を子が失ってしまうことにつながります。

そのためには、自分の思い、はやる気持ちをどうにか鎮めて、ただ目の前の我が子の一言一言に耳を傾ける。

冷静な気持ちがあれば、子に対して何をすべきか、何を求めているかを分析して実行に移すことができます。それが、目の前で悩み苦しむ子どもたちを救う一番の近道だと思います。

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