不登校の子どもは、親の顔をよく見ている
久しぶりに母校(高校)の先生とゆっくりお話することがありました。
近況を尋ねると「オレの授業、生徒に『先生が一番授業楽しんでる』ってよく言われんねんなー」とのこと。いや、でもそれすごく重要なことですよー、とそこから生徒との関わり方の話に展開していきました。
最近ものすごく痛感するのは、こちらがつまらなさそうにしていると、同様に子どもたちもつまらなさそうにするということ。そこで小中高生と関わるときに、自らも楽しむということをすごく意識するようになりました。すると自然と子どもたちもその場を楽しみ始めるんですね。
先日、小学生向けに「紙飛行機で的当てをする」ワークショップをしたときのこと。
僕は小学生といっしょにワークへ入る役割を担当し、子どもたちの輪に入って紙飛行機を折るところからスタートしました。そこでも子どもたちに気を配りながら「自分も楽しむ」ことを心掛けていると、失敗するとともに悔しがり、成功すればともに喜び合う関係性ができはじめました。
おそらく僕が暗い顔をして紙飛行機を折っていたら、子どもたちも近づきにくく、淡々としたつまらないワークショップになっていただろうと思います。そういえば、以前お会いした不登校の子向けの居場所づくりスタッフの方も、自ら積極的に輪に飛び込んで全力で遊ぶ姿が印象的でした。
小学生に限らず中高生のワークの進行なども、立場と中身を考慮する必要はありますがやはり「自分がその場を楽しむ」ことを軸に組み立てています。ときにいっしょに笑い、ときに一緒に悩む。そしてアイスブレイクは全力で楽しむ。つまらなそうにしていれば、中高生も戸惑います。
こういうところから、緊張感を隠しきれない中高生を解きほぐすようにしています。
そして、これは不登校の家庭でも同じ。
なにもワッハッハ、と常に大笑いする必要はありません。ただ、暗い顔をしていたり、つまらなさそうにすることを止めるだけで、家庭のムードが少し変わります。
不登校の子どもたちは、親の顔をよく見ています。びっくりするくらいよく見ています。
お母さんがまたため息をついた。もしかして、私が学校を休んだからため息をついたのかな、またお母さんを追い詰めてしまった、ものすごく迷惑をかけている・・・。
こうして、不登校の子は自分を責め続けます。あんまり追い詰めちゃいけない、親の期待に答えなくちゃいけない、と無理ぐり学校に行こうとして余計に苦しんでしまうことも、よくあります。そして、暗い顔をする親を見て、子どもは自分の思い、悩みを飲み込みます。
もちろん、我が子が不登校になった、自分の育て方が悪かったのでは・・・と親が自分を責める気持ちもよくわかります。しかしその裏で子どももまた「自分が学校に行かないことでお母さんが暗い顔をしている」と、自分で自分を強く責め続けています。
だからこそ、家庭でも暗い顔をせずに優しい笑顔で接することで、不登校の子も救われるのです。